フリーライターの井上理津子さんが10年以上の歳月をかけて取材し書き上げたこと、今まで踏み入れられることのなかった世界に踏み込んだことで、昨年話題になった本です
書店に行くたび平積みされ、書評をよく見かけることで、なんとなく気になり、最近になってようやく本を手にしました。
取材での苦労ばなし、建設にいたる経緯と読みすすめると、火災で焼失した色街を飛田に移転新設するにあたり、様々な反対運動が起こったときの記述に興味深いものがありました。(「第三章 飛田のはじまり 反対運動と、知事の「置き土産」」)
@女性の人権に立脚した反対意見が多く述べられ、そのことが海外でも話題になりシカゴのニュースで報じられたこと。
A日本で「初めて」の女性だけのデモ活動(百数十人の和服姿の女性が静かに祈りながら大
阪府庁まで反対署名と請願書を知事に届けた)がなされたこと。
どちらも、今から96年前、大正5年のことです。
しかし、当時の知事が辞任と引き換えに建設の許可を与えたため、反対運動は実らなかった。
活動に参加した皆が涙にむせぶばかりだったが、その中の一人の発言が画期的でした…
「みなさん、泣くのはもうやめましょう。敗因の一つは、婦人に政治力がなかったことです。次は、婦人参政権獲得運動をしようじゃありませんか。」
婦人参政権獲得運動の発端は、この反対運動の失敗だったということです。
今では、成人男女に当たり前のようにある参政権。
しかし、先人達の涙と努力でこれらの権利は得られたものなんだと改めて感服。
思わぬところで、女性の参政権にまつわる歴史に出会うことができました

